修了生の活躍を紹介します。


「浜松市民オーケストラ」を仲間と設立
   第1期修了生 鈴木孝幸  
 

私にとって主催者養成セミナーは、人との出会いを通じてチャンスを掴むきっかけとなった場でした。「音楽のまち浜松」に一市民として何か貢献がしたい、そんな夢のような参加の動機も、私一人では実現することはできなかったでしょう。
私たち一期生が中心となって設立いたしました「浜松市民オーケストラ」も多くの市民の皆さまに支えられ、現在では団員も100名を越し、次回は第4回定期演奏会を迎えることになりました。セミナーでの経験、そしてセミナーで出会った仲間の存在なしには、日頃の諸事から演奏会の企画運営など、民間企業のサラリーマンの立場では、ここまでスムーズに進めることはできなかったことでしょう。
音楽を愛し、活動を通してひたむきに向上を目指し続けることが、私たち市民団体の活動の原点とすべきとも考えております。市民が主体となってさまざまな音楽事業が企画されるようになれば、浜松らしい「音楽のまち」をつくることもできるでしょう。
市民生活を取り巻く環境のさまざまな問題や、市民団体特有の経済的な問題など、解決すべきテーマは山積していますが、同じ志を持つもの同士で助け合っていくことができれば幸いと、考えております。
(写真:浜松市民オーケストラ定期演奏会  関連サイト:浜松市民オーケストラ http://hco.web.infoseek.co.jp/

 
「(有)みどり音楽企画」設立
第5期修了生 横田 みどり  
 
第5期生として修了証をいただいた時は本当に嬉しかったなあ。
私はこのセミナーで勉強している最中に「みどり音楽企画」を立ち上げ、毎日自宅開業医の看護師としても働いているのでとにかく時間がいくらあっても足りない。
 主催者セミナーに行ったことにより、プロとしての軸が出来て心構えがしっかり植え込まれたのには本当に感謝。講演依頼を受け「音楽の翼に乗って」という演題で1時間ほどお話をさせていただく貴重な体験もしましたが、「そうだ、きちんと学習したのだから大丈夫!」人前でも話せる、という自信にもつながりました。
私の場合、音楽を聴いて煌めきが浮かび、「まずアーチスト」・「いつの時期に行なうか」・「どんな内容にしたいか」・「どんな準備が必要か」と考えていく。いつもいつも集客と収支のことで頭を抱え、一番弱いところが計画性のなさ。反省しきり。しかし本番の演奏に惚れ、公演の当日、スタッフのみなさんに助けられ、笑顔で帰るお客様に心満たされる。毎日いろんな事がある中で、その大事な時間を選んでその公演に来て下さった方、全てに感謝。一度しかない人生だもの、人のご縁を大切にしてこれからも自分なりに終わりのない何かを求めて前向きに、音楽とともに歩きます。
 主な自主公演は「横山幸雄ピアノコンサート」、「富塚西小学校『命の輝きスプリングコンサート』」、「オペラアリアの花束〜村上尊志プロデュースによる〜」などで、アクトシティ浜松中ホールや東京文化会館小ホール、当方所有小ホール「マレキアーレ」、浜松市内小学校体育館での公演を中心に活動しています。
(写真:横山幸雄ピアノリサイタル 関連サイト:(有)みどり音楽企画 http://www.midoriongaku.com/
 
「NPO法人クロスロード・ミュージック浜松とおん」設立
第3期修了生 小川 恭士 
 
現役時代は楽器メーカーの海外畑で、新商品発表時にミニコンサートを開催する事は何度かありましたが、無料コンサートが中心でしたし、ドイツ語圏、東欧諸国、中国、韓国、ベトナムという海外での体験でした。
定年退職後、ある若手日本人ピアニストのコンサートを上海や青島で運営マネジメントする仕事をお手伝いする事になりました。
丁度、関心を持っていた主催者養成セミナー第3期生募集に当選し受講、その間に、縁あって浜松オークラホテルの45階スカイチャペルを会場に、毎月金曜夜ミニコンサートの運営をお引き受けする事になりました。上海に留学研鑽した若手日本人二胡演奏家今井美樹さんが丁度帰国するので彼女をオークラ第一回出演者として起用し大成功しました。
この主催者養成セミナーは、浜松市が行っている、とてもユニークなセミナーだと思います。コンサートの企画から実施までを体系的に学習でき、静岡文化芸大の学生さんや浜松及び近辺のピアノの先生方、会社員や私のような定年退職者など、年齢や職業・性別を超えた新しい人脈ができました。演奏者謝礼等に対する源泉税や著作権協会への申請・報告の勉強などが当時のコンサート実践や現在の事業につながる大変良い勉強になりました。
2004年4月に「NPO法人クロスロード・ミュージック浜松とおん」を設立し、「オークラホテルスカイチャペル コンサート」、「ケマル・ゲキチ&関野直樹ピアノデュオ」をはじめとする主催・共催コンサートや、デイサービスセンターでの音楽療法応援事業など、年間50公演前後に及ぶコンサート、イベント、ボランティア活動を実施してきました。
「クロスロード」とは、交差点を意味します。演奏家、会場、聴衆とコーディネーターの四者が出会って、そこにコンサートが成り立つ所から法人の名前にいたしました。NPO法人のスローガン"いつでも、どこでも、誰でも"音楽を身近で楽しめる環境を整えるのが長期目標です。
直近では、小中学校でのスクールコンサート、音楽の出前、ドイツ・中国・韓国の若手音楽家との交流コンサート等を開催する予定です。浜松が文字通り近い将来、日本一の、いや、世界に冠たる"音楽のまち"あるいは"音楽の都"となる様、微力ながら仲間と努力していきたいと思っています。
(写真:ブラジル人学校でのコンサート 
 関連サイト:NPO法人クロスロード・ミュージック浜松とおん http://www.geocities.jp/musichamamatsu/index.html


 
「浜松フィルハーモニー管弦楽団」等に参加
第4期修了生 山北一司 
 
転勤で浜松市に単身赴任となった。報道機関という職業柄なんでも経験してみたいと思い、このセミナーに応募したのがそもそものきっかけ。学生、サラリーマン、主婦、音楽の先生など世代、人生観、経験の異なるメンバーが集まった。企画したのはシャンソンコンサート。有料、しかも演奏家は超一流のプロだ。和気あいあいの仲間と奮闘し、大成功!
また、1年間の主催者養成セミナー参加は仕事にもプライベートにも大きな線でつながっていった。仕事上では浜松国際ピアノコンクール開催に当たって中村紘子さんにインタビューし、勤務先の週刊誌に掲載したことだ。「浜松の音楽を外に発信したい」という思いからだ。
もう一つはNPO法人「浜松フィルハーモニー管弦楽団協会」の理事に招聘されたことだ。主催者養成セミナーの活動に参加していたことをお知りになった当時の理事長(現副会長)の川島順三氏から欠員補助で理事になってほしいと声がかかった。NPO法人の性格からいって浜松市民にすばらしい音楽、演奏を提供したい。しかも、浜松市ゆかりの演奏家が出身地で演奏できる場の提供という役割も担っている。主催者養成セミナーの仲間も数名スタッフとして参加している。
現在は鹿児島支局勤務となり浜松を離れることになったが、音楽の街浜松の印象は強烈だった。今も鮮やかに心と脳裏に刻まれている。この思い出を当地でも何とか伝えたいと思っている。

(写真:浜松フィルハーモニー管弦楽団ニューイヤーコンサート 
 関連サイト:浜松フィルハーモニー管弦楽団 http://www.hamamatsuphil.jp/main1.htm
 
プロの「イベントマネジメント」の仕事に
第3期修了生 小島恵一   
 
企業に勤務しながら主セミ修了後、同期のメンバーからNPOに誘われ、多くの音楽文化活動に参加しました。代表的なイベントとしては、「ケマル・ゲキチ&関野直樹ピアノデュオ」があります。クロアチア出身で世界的に有名なピアニスト、ケマル・ゲキチさんと若手No.1リスト奏者の関野直樹さんによるピアノデュオコンサートです。ピアノの貴公子と言われるリストを中心としたプログラムを2台のピアノで演奏するというものでしたが、企画の面白さ、そして卓越したテニクックに多くの人が魅了され、2年連続でコンサートを開催することができました。自分が企画したイベントが連続して開催され、浜松から新たな文化が発信されたように思いました。
また、私が代表となって「STYC」という市民団体を結成しました。 メンバーは若手で、言いたいことを言い合えるところがこのグループのよいところだと思います。「第2回、第3回浜松若きヴィルトオーゾコンサート」や「関野直樹ピアノリサイタル」を開催、「はままつ映画祭2007」にも参加し、この中のイベント「山下康介トーク&ピアノセッション」は、STYCが中心となってマネジメント運営を行いました。普段は各人が別々の仕事をもちながら、平日夜にミーティングを行い進めてきましたが、お客様に音楽の楽しさが伝わるようマネジメントすることを心がけています。イベントを成功に導くためには「企画力」が重要であり、その力を主催者養成セミナーで学んだと思っています。
その後私は東京圏の音楽事務所(一村音楽企画株式会社)に就職し、プロとしてイベントのマネジメントに追われる毎日です。まさに主催者養成セミナーでの経験のおかげだと思っています。

写真:ケマル・ゲキチ&関野直樹ピアノデュオ
 関連サイト:NPO法人クロスロード・ミュージック浜松とおん http://www.geocities.jp/musichamamatsu/index.html
        STYC http://styc.web.fc2.com/top.html

        一村音楽企画株式会社 http://i-music.co.jp/


 
NPO法人「花の会」事務局長
第6期修了生 小野崎隆賢
主催者養成セミナーは「支える」という新たな芸術・文化への関わり方を広く市民に示す、全国でも稀な場と言えよう。
第6期生は、世界的に活躍するギタリスト・大萩康司氏を招くことができた。ホールに広がる繊細な響きと客席からの感嘆の声。それらが一体となったとき、我々の役目は「アーチスト」と「観客」を結ぶ「つなぎ手」であったことを実感し、肌身で感じ取ることができた。コンサート終了後の打ち上げでは、演奏者とともに午前3時まで盛り上がり、まるで生涯の友の集まりの様な気さえした。
私たちのNPO法人は「伝統文化のアウトリーチ」「おざしき文化の創造」「文化と社会のつなぎ手」を主なミッションに掲げている。今年度は「みるしるあそぶ伝統文化体験講座」と題し、鵜飼船にて岐阜の伝統工芸品である水うちわを、また、商店街の店主が有する和菓子などの伝統文化、そして美術館にて舞台美術と歌舞伎の関係を、それぞれ体験を交えつつ伝統芸能とコラボレーションした形で多くの方々に楽しんで頂いている。アートNPOは芸術・文化と多くの人々を"つなぎ"、芸術・文化を"支える"機能を果たすべきであり、NPOが新たな文化主体として社会へ参画する意義はここに求められているとも言えよう。「主催者養成セミナー」で得たことは各自が各地域で、それぞれの形で育み、小さな花を咲かせている。その "種"を我々の心に蒔き続けているのが「主催者養成セミナー」なのかもしれない。
(写真:「NPO花の会」活動の様子 関連サイト:NPO花の会 http://hananokai.net
 
展示イベントホールの巨大な空間を使って「NEW VOLTAGE 2006」
第3期修了生 藪下千晶

平成17年、(財)浜松市文化協会と(財)アクトシティ浜松運営財団の統合を記念するイベントを企画運営しました。「NEW VOLTAGE」では、数々の課題をクリアしなければなりませんでした。会場が普段あまりコンサートに使用されることがない「展示イベントホール」という、コンクリートに囲まれたフラットで巨大なスペース。ガランとした巨大空間の中で、私達スタッフがとても小さくみえ、とても寒さを感じた事を覚えています。ここにステージと客席を設営し、光と音と映像によるコンサートをしようというのです。12mという高い天井の空間を活かしたコンサートは、電子三味線&電子オルガンに決まり、約1年がかりで準備しました。参加者は第1期から第4期までの主催者養成セミナー修了生で、ポスター制作、スケジュール組み、会場設営、映像、ゲストの対応など夢中になって動きました。満員の会場で、大勢のお客様に喜んでいただきこの大きなイベントが大成功した感動は今でも忘れられません。
普段は音楽講師として仕事をしていますが、10代から60代までの方々と一つの目標に向かって作り上げていくのは大きな充実感を得られました。
主催者養成セミナーでの経験は、私自身の音楽との関わりにとても大きな影響を与えました。今後も多くの人の心を豊かにする「音楽」と関わって行こうと思います。
(写真:New Voltage 2006)

 
アーティストの発表の場を企画する
第3期修了生 宮本ルリ子
娘が海外留学し、帰国後ピアニストとして活動することになった。私自身もピアノの指導者をしているが、浜松でアーティストが活動できるよう知識を学び、実践に活かしたいと思い参加した。
音楽に携わっている者にとって公的な「主催者養成セミナー」から多くを学び、インターネットという新しいインフラ登場で環境が大きく変わった点を知り、新鮮な情報を得る事ができ、才能をもった多くの人と出会えた事は大きかった。
娘の「宮本いずみ帰国記念ピアノマチネー」、「宮本いずみホームコンサート」、「ヤマハマンスリーブライトコンサート」、「夢コンサート」、学校訪問コンサート、他多数を開催したが以下のようなことを心がけた。クラシックが固いと思われる点を考慮し、柔軟にするよう、また主道をはずさないようにしながら関心が持てるようにリサイタルを行い、学校施設などでは生の演奏の魅力を肌で感じてもらえるよう考えてみた。
マチネーコンサートではリサイタルの後パーティーを催し、ドイツ(7年間の留学先)ということで、曲目はドイツの作曲家、パーティーではドイツの生活をスライドで流しドイツワイン、ドイツスイーツで特色をだしてみた。
施設訪問は聴いてくださる方々になじみの曲を一緒に参加してもらい、クラシック本来の曲で最後をしめてみた。
学校訪問は校歌をプログラムに加え、選曲もなるべく聴きやすいよう考えてみた。
得た知識を還元できるよう、多くの実践に結び付けたいと思っている。また音楽都市をめざして、アーティストが県外に流出せず活動できる都市になるよう希望する。
(写真:宮本いずみホームコンサート)

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