7月5日(土)に「音楽アラカルト」の第2回目を開催しました。
今回は、薩摩琵琶奏者の中村鶴城先生を講師にお迎えしました。
最初に約25分にわたる「ヤマトタケル幻想 まほろばの白き鳥」を演奏していただいた後、音楽監督の竹森道夫先生と対談形式で講座を行いました。
真のある上品な音にするため、琵琶は漆で塗られ加飾されています。工芸品のような美しさは目を見張るものでした。鶴城先生が使われている楽器は、師匠である鶴田錦史先生が使われていたものを引き継いで使われているそうです。
琵琶というと「琵琶法師」を連想する方が多いかもしれません。琵琶法師は語りがメインなのですが、それが器楽の琵琶として発展する中で様々な演奏技法が生まれていきました。そして現代ではオーケストラと一緒に演奏する「ノヴェンバー・ステップス」(武満徹氏作)が演奏されるようになるまで、琵琶の可能性は広がっています。
鶴城先生は、語りは時代と共に変わっていくとお話されていました。琵琶の曲目の多くは「平家物語」に代表される戦記物であり「鎮魂の音楽」とされています。しかし「鎮魂」には「魂振り(たまふり)」=「命に活力を与える」という意味もあります。鶴城先生が新しい琵琶として「光の語り」を求めて、17年かけて初めて作曲したのが「ヤマトタケル幻想 まほろばの白き鳥」でした。
また、講座では鶴城先生が17歳の時にチェリストのパブロ・カザルスの演奏に感銘を受け、それが音楽をする原点となっていること等、音楽家としての人となりに触れることが出来るお話もしてくださいました。こういったお話が聞けることは音楽アラカルトならではですね。
第3回は9月20日(土)、作曲家の猿谷紀郎(さるや としろう)先生による「作曲家の仕事」を開催いたします。
作曲家がどのように音楽を生み出しているのか、その話を聴く機会はなかなかありません。その仕事について、また皆さんが知っている「翼を下さい」などを用いて、作曲について分かりやすく解説していただきます。
チケットは現在販売中です。皆様のお越しをお待ちしております。
カテゴリ : 2014/07/08